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ドッグフード

腎臓病の愛犬を笑顔に! 手作りごはん成功の秘訣

愛犬が腎臓病と診断されたとき、頭をよぎるのは「少しでも長く元気でいてほしい」という切実な願い。
でも、ネットに溢れる情報はバラバラで、「本当に信じていいの?」「手作りって危なくない?」と不安になる方も多いはずです。

実は、手作りごはんで腎臓の数値が改善した子もいれば、逆に体調を崩してしまったケースも。
本記事では、実際の成功例・失敗例をもとに、“何が良くて何がダメだったのか”を徹底解説
他では読めないリアルな体験談と獣医監修に基づいた知見を交え、手作りごはんで後悔しないための情報をお届けします。

「このごはんでよかったんだ」と安心できるヒントが、きっと見つかります。


腎臓病犬の食事基本原則と
手作りごはんの役割

腎臓病と診断された愛犬を前に、「病院で出される療法食だけでいいの?」「手作りごはんでやっていけるかな…」と不安に思う飼い主さんは多いでしょう。

「療法食を食べてくれない・飽きてしまう」「添加物や保存料が心配」「愛犬に合った手作りレシピを知りたい」「手作りで間違えて悪化させたくない」、そんな思いを抱えている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

まずは腎臓病の愛犬にとって“食事”とは何か、その基本原則を押さえ、手作り食の可能性と注意点を理解しておきましょう。

腎臓に負担をかけない食事の基本
(低リン・適正タンパク・水分確保)

腎臓病犬の食事設計では、腎臓への「仕事量」をいかに減らして、残存する腎機能を維持するかが肝心です。このための重要な要素は以下の通りです。

低リン(リン制限)

  • 腎機能が低下すると、リンの排泄が追いつかず高リン血症を招きやすくなります。高リン血症はカルシウムとの結合により組織沈着や二次性副甲状腺機能亢進を引き起こすリスクがあるため、食事のリン量を抑える設計が必須です。
  • 白身魚、茹でこぼした野菜、特定部位の肉など、リン含有が比較的低い食材を使う工夫が一般的です。 (獣医師監修の手作りドッグフード〖公式〗ココグルメ)

適正タンパク質(制限しつつ必要量を維持)

  • タンパク質量を極端に抑えすぎると栄養不良を招くため、“制限”ではなく“調整”が重要です。
  • 病期や血液検査値(BUN・クレアチニンなど)に応じて、獣医師と相談しながらタンパク質量を決める必要があります。
  • 動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の組み合わせも調整要素として考えられます。

水分確保・湿潤度重視

  • 腎不全が進むと脱水傾向になりやすく、血液が濃縮され、腎臓への負荷が増えます
  • 手作り食ではスープ・煮汁・お湯ふやかしなどで水分をしっかり含ませる工夫が不可欠です。
  • 乾燥したフード中心では腎臓にとって逆効果になりうるため、水分設計を意識した食事構成が望まれます。

これら三要素を制御しつつ、他の栄養バランス(ビタミン・ミネラル・エネルギー)を維持することが、腎臓病犬の“食事の土台”になります。


手作り vs 療法食:双方のメリットとリスク

療法食と手作り食、どちらを選ぶか迷われる飼い主さんは多いでしょう。それぞれに強みと課題があります。

療法食のメリット・リスク

メリット

  • 栄養バランスやリン・タンパク質制限が科学的に設計されている
  • 保存性や衛生管理が徹底されており安全性が高い
  • 臨床データの裏付けがある製品が多い

デメリット・リスク

  • 食いつきが悪くなることがある
  • コストが高く、継続が難しいケース
  • 添加物・香料・保存料などへの懸念を持つ飼い主も多い

手作り食のメリット・リスク

メリット

  • 食材の選択・鮮度・調理法を自分でコントロールできる
  • 食いつき改善・個体対応が可能
  • 添加物・保存料を避けた自然な設計ができる

リスク・課題

  • 栄養バランスを自力で設計するのは非常に難しい
  • ミス設計(リン過多・タンパク過多など)で悪化リスクあり
  • 調理・計算・管理コストがかかる
  • 保存性・衛生リスク(細菌繁殖など)を注意する必要あり


手作り食を採用する際に
守るべき最低限ルール

手作り腎臓食を実践する際には、“失敗しないための最低限ルール”を守ることが不可欠です。

① 専門家との連携

  • 獣医師・動物栄養士と相談のうえ、腎機能のステージに合わせた設計を行う
  • 定期的に血液検査や尿検査を実施し、食事設計を微調整する

② 栄養計算と比率管理

  • リン・カリウム・ナトリウムなどミネラル比率を意識する
  • タンパク質、脂質、炭水化物、微量ミネラル、ビタミンのバランスをチェックする
  • Ca:P 比(カルシウム:リン比)を1:1〜2:1程度に保つ目安として扱われることも多い

③ 調理方法と食材選定

  • 食材は煮物・蒸し・茹で調理が基本、揚げ物・強火調理は避ける
  • 茹でこぼしや溶媒取り法でリン濃度を下げる工夫をする
  • 魚の骨・調味料・塩分を含む素材は除外する
  • 保存は冷蔵・冷凍管理を徹底し、作り置き期間を最小化

④ 変更は段階的に

  • 新しいレシピへの切り替えは 7〜10 日かけてゆるやかに混ぜて移行する
  • 食欲・便の状態・元気さをこまめに観察し、変調があれば調整する

⑤ リスク管理とバックアップ策

  • 手作りが難しい時期には、処方食と併用するハイブリッド方式も検討する
  • 長期保存食・冷凍保存時の凍結融解による劣化リスクに注意する
  • 微量なミネラル補填(ミネラルサプリ等)は過剰にならないよう慎重に


腎臓病犬向け 手作りごはんの
具体レシピと食材使い方

腎臓病と診断されると、多くの飼い主は「どんな食事をあげればいいのかわからない」「療法食しか選択肢がないのでは?」と途方に暮れます。
そこで手作りごはんを検討する方も増えますが、誤ったレシピはかえって負担をかけるリスクもあります。
本章では、「実際に使えるレシピ例」「食材の使い方」「調理の工夫」「補填すべき栄養素」などをまとめました。

低リン・低脂質レシピの基礎構成例

腎臓病犬にとって理想的な手作りごはんは、低リン・低脂質を基本として、かつ必要なエネルギーと栄養を確保できる構成が求められます。
以下は一例の基本フォーマットです。

食材カテゴリー目安比率(重量比)目的
高消化性低リンタンパク源(魚・鶏むね等)30〜40%必要なアミノ酸を摂取
炭水化物・低リン野菜(じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、にんじん等)30〜40%エネルギー源・繊維補給
水分・スープ類20〜25%腎臓への負荷を軽減する潤い設計
微量成分補填(カルシウム源、ビタミン・ミネラル)適宜少量栄養バランスを補うため

たとえば、魚+じゃがいも+にんじん+スープを組み合わせ、そこにごく少量のカルシウム補填(例:カルシウム粉末)を加えるというレシピが考えられます。
リーリャの「低脂質・腎臓ケア食レシピ」では、リン約1.1g/1000kcal、脂質16g/1000kcal程度に抑えつつ、エネルギー密度も調整した構成が紹介されています。(リーリャの犬ごはん)


推奨食材と避けるべき食材一覧

安全性・効果性の観点から、手作りごはんに使いやすい食材と、避けたほうがいい食材を以下にまとめます。

✅ 推奨食材例

食材特長注意点
白身魚(タラ、スズキなど)低リン・低脂質で消化性良好骨を完全に除去すること
鶏むね肉(皮なし)タンパク質源として使いやすいリン含量を念頭に少量で調整
さつまいも・かぼちゃ・じゃがいもエネルギー補助・消化性が比較的よい適切に蒸す、塩無添加
にんじん・かぶ・ブロッコリー抗酸化成分・ビタミン補給生より加熱処理で消化性を高める
低脂肪乳製品(無塩チーズ、ヨーグルト)カルシウム補填量を制限、リン・ナトリウム含量に注意

❌ 避けるべき食材例

  • レバーや腎・心臓などの内臓(リン過多)
  • 赤身肉、牛・豚肉の脂身多い部位
  • 加工肉(ハム、ベーコン、ソーセージなど)
  • 高リン魚(イワシ、鯖など、頻度を制限)
  • 食塩・調味料・香辛料
  • ナッツ・チョコレート・玉ねぎ・ネギなどの犬毒性食材


調理の工夫:茹でこぼし・下湯で・水分調整など

調理方法次第でリン・カリウム量を削減したり消化性を高めたりできます。

工夫の方法を紹介するよ!

  1. 茹でこぼし法(湯切り)
     野菜・芋類を一度茹でて湯を捨て、再度軽く加熱することで溶出したリン・カリウムを除く効果あり
  2. 下湯で処理
     肉・魚を一度低温湯通しして表面の余分なミネラルを落とし、その後本調理に使うと無駄が少ない
  3. スープ・煮汁利用
     調理湯を捨てすぎると栄養素も捨ててしまうので、ある程度スープを保持しつつ濃度を管理する
  4. 加熱時間・火力の最適化
     過度な加熱はタンパク質の変性・栄養損失を招くため、中火・短時間蒸し煮程度が理想
  5. 水分量の工夫
     ドライ成分が多いと腎臓負荷になるので、柔らかさを意識して水分含有を上げること(50%前後を目安に調整)


不足しがちな栄養を補う
サプリメントや素材

手作りだけでは必須ミネラル・ビタミンの一部が補えないケースが多いため、補填戦略が重要です。

代表例と使い方のポイントを紹介するよ!

  • カルシウム源:貝殻カルシウム、サンゴカルシウムなど。リン過多を防ぐため、Ca:P 比を意識して調整
  • ビタミンD:カルシウム吸収を助けるが、過剰投与には注意
  • マルチビタミン・ミネラル(犬用):不足しがちな微量元素(ヨウ素、銅、亜鉛など)を補う
  • オメガ‑3脂肪酸(魚油、亜麻仁油):抗炎症作用を期待
  • タウリン・アルギニン:腎保護補助として一部研究に示唆あり

使用する際は、獣医師の監修下で適正量を守ることが絶対条件です。
過剰・不均衡な補填は逆効果になることもあるので注意しましょう。


ケース別のレシピ選びと調整方法

腎臓病と診断された犬に手作りごはんを与える際、病期(ステージ)、年齢、体重、その他疾患の有無、食欲や便の具合など様々な要因を考慮して“その子に合った”レシピに調整する必要があります。
ここでは、ステージ別の配分変更、個体特性への配慮、そして食欲不振や便トラブルが起きたときの応急調整アプローチを具体的に解説します。

ステージ別(初期・中期・末期)で
変えるべき配分

腎臓病は進行段階によって腎機能の低下度合いが異なるため、手作りレシピにも段階的な変化を設けることが重要です。

ステージ配分のポイント実践例・留意点
初期(ステージ1〜2)比較的余裕あり。低リン・適正タンパクを基本に、栄養強化余地ありタンパク質をやや高めに構成して筋肉維持を意識。ただし過剰は禁物
中期(ステージ3)腎機能の低下が深くなるため、タンパク・リン制限を強め、無駄な負荷を減らすタンパク源をより低リン・高消化性のものに切り替え、食材量を調整
末期(ステージ4)腎機能が著しく低下しているフェーズ。最小限のタンパク・リンで維持モード手作りでは限界が出やすいため、処方食や併用戦略も視野に入れる

ステージ診断は定期的な血液・尿検査に基づくものなので、獣医師と相談しながらレシピ調整することが重要だよ。


年齢・体重・他の疾患がある愛犬への配慮

腎臓病だけでなく犬の年齢、体格、併発疾患(肝臓病、心臓病、糖尿病など)がある場合、それらを加味したレシピ調整が不可欠です。

  • 年齢(若年~高齢犬)
      若年犬は成長のための栄養需要が高く、高齢犬は消化機能や代謝が落ちている点を考慮。末期腎不全で高齢の場合は、タンパク質量をさらに緩やかに減らしつつ、易消化・食べやすさ重視の設計を。
  • 体重
      体重管理は腎臓負荷を低く保つうえで必須。痩せすぎ・過体重どちらもデメリットになるため、理想体重に合わせてエネルギー調整。
  • 併発疾患の影響
      たとえば糖尿病を併発している場合は、炭水化物の選定・血糖管理を考慮。肝臓病があるならアンモニア負荷を意識する必要も出てきます。
  • 薬との相互作用
      利尿薬、血圧降下剤、カリウム調整薬などを使っている場合、それらの薬剤と食材(特にカリウム含有量)とのバランスを取る必要があります。


食欲不振・便トラブル時の調整アプローチ

腎臓病犬では、手作りレシピがうまくいっても 食欲低下・便が緩いまたは硬い といった問題がしばしば起こります。
その場合、以下のような調整アプローチが有効です。

食欲不振対策

  • 味・香りの変化: 食材を少し変える、香りのある素材(例えば鰹だし無塩スープ)を軽く使う
  • 温度を人肌程度に温める: 冷たい食事は食欲をそそらないことがある
  • 分割給餌:1日の量を数回に分けて与える
  • 軟らかく調理:水分多め、ふやかしてペースト状に近くする
  • トッピング混合:手作り株式に低量で嗜好性素材を混ぜて慣れさせる

便トラブル対応

状態可能な原因対処法
軟便 / 下痢タンパク量過多・脂質過多・繊維不足・消化能低下タンパクを少し減らす/炭水化物を増やす/消化酵素または乳酸菌導入 /切り替え速度を落とす
便秘水分不足・繊維過少・運動不足水分を増やす・食物繊維を軽く増量・散歩など運動量を確保
粘液・血便炎症・腸管刺激獣医師受診。たんぱく源変更、刺激成分除去を検討


まとめ:
愛犬のために“正しく学ぶ”手作り腎臓食

腎臓病の愛犬に手作りごはんを与えるという選択は、メリットもリスクも伴います。ただ、正しい知識と慎重な対応があれば、QOLの改善や病状の安定につながる可能性があります。

最後に、本記事で紹介した重要ポイントをまとめました。

✅ 成功に導くポイント

  • 段階的な切り替えが鍵:いきなり100%手作りにせず、少しずつ切り替えた方が犬にも負担が少ない。
  • 血液検査で定期的に数値チェック:効果を数字で見ながら調整できる。
  • 嗜好性アップの工夫が重要:温度、香り、水分量などで食いつきが改善する。
  • 犬の生活の質(QOL)も注目ポイント:数値だけでなく、元気さや毛艶も指標に。


⚠️ 失敗しないための注意点

  • 極端な低タンパクはNG:栄養不足で筋肉量が減少し、逆に体調悪化につながるリスクがあります。
  • サプリやミネラルのバランス管理が難しい:特にCa:P比やリン制限は、知識がないと失敗するリスクがあります。
  • 体調不良時に無理に減量しない:食欲低下と誤認して必要栄養までカットしてしまうと悪循環です。
  • 検査の間隔が空きすぎると危険:症状の進行に気づくのが遅れる可能性あります。


最後に

手作りごはんは「愛犬への思い」が詰まった素晴らしい選択肢です。
「愛犬への思い」に、根拠ある知識・慎重な設計・柔軟な調整をプラスして、手作り腎臓食は成功に導きましょう。

飼い主さんと愛犬のよりよい未来への一歩となることを願っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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