
愛犬の具合が悪い時、どのタイミングで受診をするか、どんな検査や治療を希望するかを愛犬自身で決めることはできないため、飼い主の判断に委ねられます。
今回は、わが家の愛犬が脳の病気になった時、侵襲の大きな検査を受けるかどうか迷ったときの葛藤について綴りました。
同じ葛藤を抱えている方の参考になれば嬉しいです。
その検査、誰のため?
私は、常々愛犬自身は受診を希望しているのだろうか?と考えて来ました。
検査や治療が好きな動物は少ないのではないでしょうか。それでも受診して検査や治療を行うのは、飼い主のエゴなのかもしれないと思うこともあります。
愛犬を受診させ検査や治療を受ける時は、愛犬の苦痛を和らげることができると思った時だけと考えて来ました。
ほとんどの場合、苦痛を和らげることができます。
嘔吐や下痢が続く時、怪我をした時、皮膚のトラブルが生じた時など、適切な治療をければ治癒が促進されるでしょう。
愛犬が椎間板ヘルニアになった時も、手術は大きな侵襲ですが、この先痛みをずっと抱えて生きていくよりは良いと思って決断しました。

わんこママの葛藤

愛犬(ヘルニアとは別の子)が脳の病気になった時は、さすがに悩みました。
夜中に突然痙攣を起こし、夜間救急対応をしている動物病院に駆け込みました。
獣医師さんからは、「脳腫瘍か脳炎の可能性が高いが、MRIを撮らないと診断ができない」と説明を受けました。
脳腫瘍なら外科治療(手術)や放射線治療で良くなる可能性がある、脳炎なら内科治療(投薬)に効果があれば延命はできるが予後は悪い、さらにMRI検査の侵襲で検査中に命を落とす可能性もあると説明されました。
「予後が悪い病気なのに、命懸けでMRIを撮ることにどれほどの意味があるのだろう。愛犬のためになるのだろうか、検査中に命を落とすことがあれば一生後悔する」と思い、すぐには決断できませんでした。
検査を決断した理由
愛犬の余命宣告を受けた翌日、MRI検査を受けた方が良いか、かかりつけの獣医師さんに相談をしました。
獣医師さんからは、「検査を受けて診断しないことには治療が始められないから、リスクのある検査ではあるけれども検査を受けた方が良いのではないか」と言っていただきました。
獣医師さんの言葉を聞いても決心できず、久しぶりにブリーダーさんに電話をかけ、相談しました。
ブリーダーさんに連絡をしたのは6年ぶりでしたが覚えていてくださり、私の話を親身に聞いてくださいました。
ブリーダーさんは、ご自身の経験をお話ししてくださり、「あとあと後悔しないためにもやれることはやったほうが良い、可能性を信じて検査を受けてみてはどうか」と言っていただきました。

かかりつけの獣医師さんとブリーダーさんに相談しても100%の決断はできませんでしたが、「このまま諦めるよりは、正確な診断をしてもらうことの方が愛犬のためかもしれない」と考えるようになり、MRI検査を受けることに決めました。
検査を受けて…
検査の結果、診断は脳炎でした。「年単位での生存が望めないかもしれない」と宣告されました。
脳炎に対する治療が始まり、愛犬は脳炎の症状や薬の副作用に耐えて、その後3回もお誕生日を迎えることができました。
治療を受けている間、辛いことばかりではなかったと思います。繰り返す発作を乗り越えて、またお散歩ができるようになった時の感動は、今でも忘れません。ドックランやカフェ、旅行にも行けるようになり、愛犬の楽しそうな顔をまた見ることができました。

まとめ
受診をする、しない、検査を受ける、受けない、治療を受ける、受けない、言葉を話さない動物たちにとっての正解を探るのは本当に難しいです。
あの時MRI検査を受けたことが、愛犬にとって正解だったのかどうか分かりませが、検査を受けたおかげで幸せな時間を過ごすこともできたのではないかと思っています。
どんな闘病生活だったかは、これから少しずつ綴っていけたらと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。