コラムには、わんこママのつぶやきエピソードを記しています。
今回は、愛犬の闘病生活を通して、愛犬から教わった「今を生きる」ことの大切さについて綴っています。

愛犬の闘病生活で愛犬から教わったことは、「犬は今を生きている」ということでした。
愛犬が脳の病気になり、獣医師さんから「年単位での生存は難しいかもしれません」と宣告され、私は愛犬を失うことが悲しくて泣いてばかりいました。
人間は、良くも悪くも過去を思い出したり、未来を想像したりします。
愛犬との時間はまだまだ続くと思っていたので「もっと愛犬との時間を大切にすれば良かった」と油断していた自分を悔やみ、愛犬を失うことを想像すると涙が止まりませんでした。
愛犬は違いました。
病気や薬の副作用で身体は辛かったと思いますが、人間のように「なんで病気になっちゃったの」とか「もっと犬生を楽しみたいよ」とは考えていなかったと思います。
ただただ、自分の今に向き合っているように見えました。
辛そうな時は部屋の隅でじーっとしていましたが、気持ちよさそうに眠っていたり、遊んだりする時間もありました。
病気になったことを悲観することなく、身体が辛くない時は病気になる前と同じように過ごしていました。
辛い時間も、そうでない時間も、今の自分にまっすぐ向き合って生きている姿に何度も救われました。
私も愛犬を失う日が近いことを悲しむよりも、「今一緒にいられる時間を大切に、一緒に精一杯生きよう」と思うようになりました。
自分に今何ができるのか、愛犬が辛そうな時は緩和するために何ができるのかを考え、愛犬が楽しそうな時は一緒に楽しむようにしました。

人間は過去や未来を考える生き物ですが、未来に悲しみが待っている時は「かけがえのない今を生きている」ことに気持ちを集中してみると、救われることもあるかもしれません。
今また、シニアの愛犬と暮らしながら「あとどれくらい一緒に過ごせるだろうか」と考えてしまい寂しくなることもありますが、「一緒に過ごしている今を笑顔で過ごそう」と思い直して、愛犬との時間を紡いでいます。
