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わんこケア

ポメラニアンの夏毛がスカスカ…?原因と今すぐできる対策ガイド

「うちのポメラニアン、最近なんだか毛がスカスカ…夏だから?」
そう感じている飼い主さんは、実はとても多いんです。
ふわふわが魅力のポメラニアンなのに、季節によって見た目が変わると「病気?」「カットのせい?」「もう戻らないの?」と不安になりますよね。

でも安心してください。
“夏毛がスカスカに見える”のには、きちんとした理由があります。

本記事では、ポメラニアン特有の被毛サイクルから、冷房や紫外線といった「意外な盲点」、そしてふわふわを取り戻すための年間ケア術まで、あなたの愛犬の“毛が戻らない不安”をスッキリ解消します。
読み終えるころには、「愛犬のスカスカは怖くなかった」と思えるはずです。

目次

なぜ夏毛でスカスカに見える?
ポメラニアンの被毛構造を知る

「うちのポメラニアン、夏になったら急に毛がスカスカに見える…」
そんな不安を抱く飼い主さんは少なくありません。ふわふわの毛が魅力のポメラニアンだからこそ、毛量が減って見えると「病気なのでは?」「カットが原因?」と心配になるものです。

実は、ポメラニアンの毛が夏にスカスカに見えるのは、自然な換毛や被毛構造による“季節の変化”であることが多いのです。
まずは、その仕組みを正しく理解することから始めましょう。

ポメラニアンは“ダブルコート”だから夏にも抜ける?

ポメラニアンは、「ダブルコート」と呼ばれる被毛構造を持つ犬種です。
これはアンダーコート(下毛)オーバーコート(上毛)の二層構造で、寒さや外部刺激から体を守る役割を担っています。

アンダーコート/オーバーコートの役割

  • アンダーコート(下毛):細く柔らかい綿毛のような毛で、保温・保湿の役割を果たします。季節の変わり目に大量に抜けるのがこの層です。
  • オーバーコート(上毛):硬くしっかりした毛で、紫外線や外的ダメージから皮膚を保護します。こちらは抜けにくく、見た目の“ふわふわ感”をつくる要素でもあります。

夏に抜ける毛=“夏毛”という認識と実際

「夏毛に変わる=夏毛が生える」と思われがちですが、正確には冬毛(アンダーコート)が抜け落ちることで被毛全体が軽くなり、結果的に“スカスカに見える”のです。
つまり、“夏毛”とは新たに生える毛ではなく、冬毛が抜けたあとの状態を指すといえます。

このため、夏場のポメラニアンがふんわり感を失って見えるのは自然なサイクルであり、必ずしも異常ではありません。


「スカスカ」に見える主な原因3つ

では、同じ“スカスカ”でも、「自然な抜け毛」と「注意すべきトラブル」にはどんな違いがあるのでしょうか?
ここでは、飼い主さんが見落としがちな3つの原因を詳しく解説します。

① 換毛期/季節による自然な抜け毛

ポメラニアンは年に2回、春と秋に大きな換毛期を迎えます。
特に春〜初夏にかけては、冬毛がごっそり抜ける時期。
このときアンダーコートが抜け落ちるため、全体的に毛量が減ったように見えるのが特徴です。

ブラッシングを怠ると、古い毛が残り、通気性が悪化して皮膚トラブルを起こすこともあります。
毎日のケアが“健康的な抜け毛”をサポートします。

② サマーカット・バリカンによる被毛のダメージ

夏の暑さ対策として人気の「サマーカット」。しかし、ポメラニアンの場合は注意が必要です。
petan(ペタン)によると、バリカンで短く刈りすぎると被毛の構造が壊れ、二度と元のふわふわの毛が生えない「バリカン後脱毛症」になる可能性があるといいます。

オーバーコートとアンダーコートのバランスが崩れることで、毛が生え変わらず“スカスカな見た目”が続いてしまうケースもあります。
被毛ケアを目的にするなら、短く切るよりも、通気を意識したブラッシングや部分トリミングの方が安全です。

③ 病気・ホルモン異常による脱毛(例:アロペシアX)

自然な換毛ではなく、局所的に毛が薄い/左右対称に脱毛がある/かゆみがない場合は、ホルモン性の脱毛症の可能性があります。
ベネッセの犬の健康情報サイトによると、ポメラニアンに多い「アロペシアX(毛包異常症)」は、見た目がまるで“サマーカット後のようにスカスカ”になるのが特徴です。

この病気は痒みがないため見過ごされやすく、気づいたときには広範囲に脱毛していることもあります。
毛質の変化や地肌の露出が気になる場合は、早めに動物病院で診察を受けることが重要です。


“夏毛”と“冬毛”の違い―ポメラニアン特有の衣替え

ポメラニアンの毛は、一年を通して同じではありません。
季節に応じて密度や質感が変化する「衣替えのような仕組み」が備わっています。

夏毛期に体感的に「ふわふわ感」が落ちる理由

夏毛期にはアンダーコートが少なくなるため、毛全体のボリュームが落ち、空気を含みにくくなります。
その結果、ふんわり感よりも軽やかでスリムな印象に。
さらに、汗や湿気、紫外線によって毛が乾燥し、ツヤが減ることで“スカスカに見える”現象が強調されます。

冬毛との比較、密度・ボリュームの変化

冬毛期は真逆です。寒さに備えてアンダーコートが厚くなり、モコモコ・ふわふわの理想的な毛並みになります。
このため、夏毛期の軽さを「抜けすぎた」と感じても、秋以降にまた自然にボリュームが戻るのが通常のサイクルです。

エアコンによる温度管理や室内照明の影響で換毛リズムが乱れると、毛の生え変わりがうまくいかず“スカスカ状態”が長引くこともあります。

🐶人工的な室温や光も、ポメラニアンの被毛リズムに影響を与えることがあります、


「うちのポメ、夏なのに毛がスカスカ…」と
感じる飼い主の悩み

夏場になると多くの飼い主が抱えるのが、「毛が減ったように見える」「地肌が透けて見える」といった見た目の変化。
本章では、飼い主さんが実際に抱える代表的な悩みと、その原因・対処法を詳しく解説しています。


毛量が減った気がする/体の一部だけ地肌が見えるようになった

まず最も多いのが、「全体的にボリュームが落ちた」「お尻や背中の毛が薄く見える」という悩みです。

原因の多くは換毛期による自然な抜け毛
特に春〜初夏はアンダーコートが大量に抜ける時期で、被毛の密度が減るため、どうしても“スカスカ見え”します。

しかし、部分的に地肌が見える場合は注意が必要です。片側だけ薄い・円形脱毛のように抜けている・皮膚の色が変わっているときは、皮膚炎やホルモン異常などの可能性もあります。
換毛後にバランスよく毛が生えそろわない場合は、早めに動物病院でチェックしてもらいましょう。


サマーカットしたら元のふわふわに戻らない?

バリカン後脱毛症のリスク(参考:petan.jp

「暑そうだから」「抜け毛を減らしたいから」とサマーカットをする飼い主も多いですが、ポメラニアンの場合は慎重さが必要です。

petanによると、バリカンで短く刈りすぎると**「バリカン後脱毛症」**と呼ばれる被毛トラブルを引き起こすことがあります。
これは毛根にダメージが残り、新しい毛が生えてこなくなる症状で、特にアンダーコートがうまく再生しないケースが多く見られます。

もともとふわふわな毛質を保つには、“長さを残した整えカット”が基本。見た目を軽くしたい場合も、ハサミで毛先を整える程度に留め、肌が透けるほど短く刈らないことが鉄則です。

もし既にサマーカットをしてしまった場合は、

  • 保湿ケア(犬用ミスト・ブラッシング)
  • 紫外線対策(外出時の洋服)
  • タンパク質・オメガ3脂肪酸を含む食事
    を意識して、被毛の再生をサポートしましょう。

抜け毛がすごくて掃除が大変・毛が舞い落ちる

換毛期の対処が遅れた場合の毛玉・絡まりリスク(参考:maruone.com

「毎日掃除しても抜け毛が止まらない」「ブラッシングしても次々と抜ける」——
この時期の抜け毛は、自然な換毛+ケア不足のダブルパンチで起きることが多いです。

maruone.comでも紹介されているように、古いアンダーコートを放置すると毛玉や皮膚トラブルの原因になります。
毛玉は皮膚の通気を妨げ、湿気がこもって炎症や臭いを引き起こすことも。

抜け毛を減らすには、1日5分のブラッシング習慣が効果的です。
スリッカーブラシやピンブラシで毛の根元からやさしくほぐし、週1回のシャンプーで皮脂汚れを落とすことで、抜け毛の量が大きく変わります。

さらに意外な盲点が「エアコンの風」。室内の乾燥が強すぎると毛がパサつき、絡まりやすくなるため、湿度40〜60%を保つことも重要なポイントです。


スカスカ見た目=病気?どう判断すれば?

皮膚の変色、左右対称の脱毛、かゆみの有無など病気サイン(参考:dog.benesse.ne.jp

「毛がスカスカなのは病気?」と不安になる飼い主も少なくありません。
dog.benesse.ne.jpによると、ポメラニアンに多い脱毛症として「アロペシアX(毛包異常症)」が知られています。

この病気は痒みがないのが特徴で、左右対称に脱毛する・皮膚が黒っぽくなる・毛質が変わるなどのサインが見られます。
ホルモンバランスや遺伝的要因が関係しており、自然治癒するケースもある一方で、長期的な治療が必要な場合も。

また、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)でも同様の脱毛が起きることがあります。
病気による脱毛は“毛量の変化”だけでなく、体重減少・皮膚のべたつき・食欲変化などの全身症状を伴うこともあるため、気になる症状がある場合は早めの受診が安心です。


ここでしか読めないワンポイント:環境とストレスが毛に与える影響

競合サイトがあまり触れていないのが、室内環境やストレスが被毛に与える影響です。
冷房の効きすぎや生活リズムの乱れによって、ホルモンバランスや代謝が変化し、換毛サイクルが乱れることがあります。

特に夏は外出が減り、運動不足になりがち。
血行不良や代謝低下が毛の再生を妨げ、長期的に“スカスカ毛”を定着させてしまうこともあります。

被毛の健康を守るには、

  • 1日数分の軽い散歩
  • 温度・湿度の安定した室内環境
  • ストレスの少ない生活リズム
    を意識して、体の内側から整えることが大切です。


ポメラニアンの夏毛がスカスカに見えるのは、自然な換毛が原因のことがほとんどです。
しかし、カット・生活環境・病気など複数の要因が重なると、見た目以上に深刻なトラブルへとつながる可能性もあります。

「いつもと違う抜け方」「毛質の変化」「地肌の透け」が気になったら、早めのケア・相談をしましょう。
夏でもふわふわをキープする秘訣は、「抜け毛の意味を正しく理解し、季節に合わせたケアをする」ことです。


夏季・室内環境から考える被毛ケア

「外に出していないのに、うちのポメラニアンの毛がスカスカに見える」そんな悩みもあるでしょう。

被毛の状態を左右するのは、外気温だけではありません。冷房の設定温度や室内の湿度、照明、運動量といった“室内環境”も、換毛や毛質に大きく関わっています。
「室内環境×夏毛ケア」の視点から、ポメラニアンの被毛を守るポイントを解説します。


意外と盲点!冷房・室内温度が“夏毛”スカスカに影響する理由

ポメラニアンの毛がスカスカに見える原因のひとつに、室内の冷房設定が関係している場合があります。
犬の換毛サイクルは「気温」「日照時間」「湿度」などの環境変化によって調整されます。
ところが、エアコンの効いた室内では気温や湿度の変化が少なく、「常に春や秋のような環境」と脳が誤認することがあります。

室温が低すぎるとどうなる?

・代謝が落ち、毛の生え変わりが鈍化する
・アンダーコートの成長が遅れ、表面の毛がスカスカに見える
・皮脂分泌が減り、毛のハリ・ツヤがなくなる

1日の中でエアコンのON/OFFが頻繁に切り替わると、体が温度変化に対応できず被毛サイクルが乱れることも。
理想は、25〜27℃前後を一定に保ち、直接風が当たらない場所にベッドを置くこと。
冷気が強すぎると、皮膚の血行不良や乾燥を招き、毛の再生力を落とす要因にもなります。


外との温度差・紫外線・通気性:夏場の被毛ダメージポイント

外出時や日向ぼっこ中に注意したいのが、外気との温度差紫外線です。
室内で冷房に慣れたポメラニアンは、外気との気温差に体温調節が追いつかず、皮膚ストレスが発生します。
これが慢性化すると、被毛が細くなり、抜け毛が増える傾向があります。

被毛が薄くなると起こるリスク

・直射日光が皮膚に届きやすくなり、炎症や色素沈着を起こす
・毛の“断熱効果”が下がり、体温コントロールが難しくなる
・通気性が悪い服やベッド素材で蒸れ・皮膚トラブルが増える

紫外線は毛幹(もうかん)タンパク質を酸化させてキューティクルを損傷するため、毛がパサつきやすくなります。
そのため、夏の散歩では日差しの弱い時間帯を選ぶ・UVカットの犬服を活用する・ブラッシング後に保湿ミストを使用するといった対策が有効です。


食事・水分・運動から考える“夏の抜け毛防止”新視点

「毛がスカスカ=外的要因」と思われがちですが、体の内側のコンディションも大きく関わります。
特に夏は食欲や運動量が落ちやすく、被毛を作るための栄養が不足しがちです。

高タンパク・オメガ3・ビタミンの重要性

高タンパク質:毛を構成するケラチンの材料。鶏むね肉・白身魚などを活用。
オメガ3脂肪酸:皮膚炎を抑え、毛艶を良くする(亜麻仁油・サーモンオイルなど)。
ビタミンA・E・B群:毛の再生と皮膚代謝をサポート。

水分不足も見逃せません。体が脱水状態になると血流が悪化し、毛根まで十分な栄養が届かなくなります。
また、運動不足による代謝低下は、被毛サイクルの遅延を引き起こすことも。
室内遊びでも構わないので、1日15〜20分程度の軽い運動を続けることで、毛の生え変わりを促すことができます。


環境と体の両面から「ふわもこ」を守る

ポメラニアンの夏毛がスカスカに見える背景には、単なる“季節の変化”だけでなく、室内環境・生活リズム・栄養状態といった多角的な要因が絡んでいます。
「夏毛のせいかな?」と思ったら、エアコンの設定温度や湿度、食事内容などを一度見直してみましょう。
ほんの少しの工夫で、被毛の回復力やツヤがぐっと変わります。
“ふわふわのポメラニアン”を取り戻す第一歩は、日常の小さな環境調整から始まります。


具体的なケア手順:夏にスカスカを感じたらこの3ステップ

「最近うちのポメ、毛がスカスカに見える…」
そんなとき、焦ってシャンプーやカットをする前に、まずは原因を見極めることが大切です。
ポメラニアンの被毛は繊細で、環境・体調・お手入れの仕方など、少しの変化でも毛並みに影響が出やすい犬種です。
ここでは、“夏毛スカスカ”を感じたときに試してほしい3つのステップを、順を追って解説します。


ステップ1:まずチェック!“症状別セルフ診断”

スカスカの見え方には個体差があります。
まずは以下のポイントを観察して、どんなタイプの「スカスカ」かを見極めましょう。

部分的?それとも全体的?

  • 部分的(例:背中・お尻・首回りだけ薄い)
     → サマーカット後の毛質変化や、アロペシアXなどの局所的脱毛の可能性あり。
  • 全体的にふんわり感が減った
     → 換毛期の自然な抜け毛や、冷房環境・栄養不足による被毛サイクルの乱れが考えられます。

かゆみ・赤み・フケはある?

  • かゆみ・赤み・湿疹あり → アレルギー性皮膚炎やノミ・ダニの可能性
  • フケ・乾燥・毛のパサつき → 皮脂バランスの乱れやシャンプー頻度の過多

サマーカット・バリカン歴は?

  • バリカンで短く刈った後に伸びが遅い → 「バリカン後脱毛症(Clipper Alopecia)」のリスクも。
  • 自然に伸びる様子が見られない → 毛根の休止期が長引いているかもしれません。

→ これらの観察をもとに、「一時的な換毛なのか」「皮膚・毛根の異常なのか」を判断するのが第一歩です。


ステップ2:ホームケアでできること

スカスカを感じたとき、自宅でできるケアを見直すだけでも、毛並みの回復スピードは変わります。
特にブラッシング・シャンプー・保湿の3点を意識しましょう。

適切なブラッシング頻度・方法(換毛期対応)

換毛期は、1日1回・スリッカーブラシ+コーム仕上げが基本。
・アンダーコートを丁寧に取り除く
・抜け毛が毛穴に残ると蒸れや毛玉の原因に
・根元から優しくすくうようにとかす
(参考:petan

※ブラッシング後に静電気防止ミストを使うと、毛切れや絡まりを防げます。

シャンプー・乾かし方・保湿ケアのポイント

・シャンプーは月1〜2回までが目安。洗いすぎは皮脂バランスを崩し、乾燥・パサつきの原因に。
・ぬるま湯(約36〜38℃)でやさしく洗い、しっかり泡を流す。
・ドライヤーは冷風〜弱温風で、毛の根元からしっかり乾かすこと。
・仕上げに保湿スプレー(犬用セラミドミストなど)を使用し、毛にツヤと弾力を与えましょう。
(参考:伊豆ワン)

サマーカット・バリカンをしたい時の注意点・トリマー選び

・3mm以下のカットは毛根を傷つける恐れあり。
・「毛が生えにくくなる体質です」と伝え、皮膚負担の少ない長め仕上げ(1〜2cm残し)を依頼。
・被毛再生の知識があるトリマーを選びましょう。口コミで「ポメのカットが得意」と書かれているサロンがおすすめです。


ステップ3:動物病院に相談すべきサイン&相談時のポイント

ホームケアをしても改善しない、または次のような症状がある場合は、迷わず獣医師に相談を。

こんなときは“病気の可能性”も

  • 左右対称に毛が抜けている(ホルモン異常やアロペシアXの可能性)
  • 皮膚が黒ずんでいる・かさつき・フケが大量に出る
  • 毛がまったく伸びない/触るとベタつく
  • 食欲・元気がない、体重変化がある

獣医に伝えるべき情報

診察時に以下を伝えると、診断がスムーズになります。

  • カットやシャンプーをした時期・回数
  • 使用しているシャンプーや保湿剤の種類
  • 食事内容(ドッグフードの種類・おやつの頻度)
  • 室内温度・冷暖房の使用状況
  • 抜け毛が出始めた時期と部位

これらの情報があることで、換毛サイクル異常・内分泌系疾患・皮膚トラブルの見分けがつきやすくなります。


焦らず「観察・ケア・相談」でふわもこを守ろう

ポメラニアンの夏毛がスカスカに見えるのは、必ずしも異常とは限りません。
しかし、ちょっとした環境の変化やお手入れの誤りが、毛並みを長期的に損ねてしまうこともあります。
「おかしいな?」と思ったら、
①見極め → ②ホームケア → ③必要に応じて病院
この3ステップを心がけることで、愛犬の“ふわふわ”をしっかり守ることができます。


「よくある質問」Q&A

「夏だから毛が少し減るのは普通?いつまで様子を見るべき?」

はい、ある程度の“スカスカ感”は季節的に自然な現象です。
ポメラニアンはダブルコート(アンダーコート+オーバーコート)の犬種で、春〜初夏にかけて密なアンダーコートがごっそり抜け落ちます。
これは“換毛期”と呼ばれるもので、毛量が減っても健康なら正常なサイクルです。

ただし、次のような状態が続く場合は注意が必要です。

  • 換毛から2〜3か月経っても毛が生え揃わない
  • 地肌が見える範囲が広がっている
  • 触るとベタつく・皮膚が黒ずむ・かゆがる

これらが見られるときは、被毛サイクルの乱れやホルモン異常(アロペシアXなど)の可能性もあります。
「抜けてすぐに生える」とはいかないため、3〜4か月を目安に様子を見て、それ以上続く場合は動物病院で検査を受けましょう。


「サマーカットしてしまったけど、元通りに戻る?何年かかる?」

サマーカット後、「なかなか毛が伸びない」「ふわふわ感が戻らない」という声は非常に多いです。
これは、毛根の成長期が一時的に止まる(休止期に入る)ことが主な原因です。

毛の再生には個体差が大きく、数か月〜数年単位の回復が必要なケースもあります。
もしすでに短くしてしまった場合は、

  • 強い日差しを避ける(紫外線で毛根が傷つく)
  • タンパク質・オメガ3脂肪酸を含む食事を与える
  • 皮膚の保湿を欠かさない

これらを意識して、新しい毛が健康に生える環境を整えることが大切です。


「薄くなった背中/お腹だけ地肌が見えるけど何が原因?」

背中やお腹だけ毛が薄い場合、以下の原因が考えられます。

  1. 圧迫や摩擦による脱毛
     → 服・ハーネス・キャリーバッグなどで常に擦れる部位に起きやすい。
  2. ホルモンバランスの乱れ
     → アロペシアX、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能異常など。
  3. 皮膚トラブル
     → 湿気・アレルギー・マラセチア(真菌)による皮膚炎。

見極めのポイントは、左右対称の脱毛かどうか
対称的に薄い場合はホルモン性脱毛の可能性が高く、非対称なら外的要因(摩擦や皮膚病)を疑います。
いずれの場合も、早期に病院で皮膚検査を受けるのがベストです。


「毛玉をそのままにしていたら“スカスカ見え”が加速する?」

はい、毛玉の放置はスカスカを悪化させる原因のひとつです。
毛玉ができると、その部分の通気性が悪くなり、皮膚が蒸れて雑菌が繁殖。
結果として毛根が弱り、周囲の毛まで抜けやすくなります。

さらに、毛玉を無理に引っ張ると、毛ごと抜けてしまい「薄く見える部分」が広がることも。
予防のコツは次の通りです。

  • 換毛期は毎日短時間のブラッシング
  • 特に耳の後ろ・内もも・お尻まわりを丁寧に
  • 毛玉ができてしまったら、無理にほぐさずスリッカーで少しずつ解く
  • 皮膚に近い毛玉は無理せずトリマーに相談

毛玉ケアを怠ると、「毛が抜けた」のではなく「毛が絡んで潰れて見える」状態にもなるため注意が必要です。


「服を着せた方がいい?逆に蒸れて毛が抜けやすくなる?」

夏の服選びは非常に難しいポイントです。
紫外線対策として服を着せるのは◎ですが、長時間の着用はNG。

ポメラニアンはもともと保温性の高い毛質をしており、服を着せることで
・体温が上がりやすい
・蒸れやすく皮膚トラブルが起きやすい
というリスクがあります。

特に「薄くなった部分」を守るために服を着せる場合は、

  • 通気性・速乾性のあるメッシュ素材
  • 室内では服を脱がせて風通しを確保
  • 1日1回は皮膚の状態をチェック

これらを意識すれば、“守るための服”が逆効果になることを防げます。


不安なときは「1人で抱え込まない」

ポメラニアンの毛は、季節・体調・お手入れの仕方に大きく左右されます。
「スカスカに見える」と感じても、焦らず観察し、正しいケアと環境づくりを意識しましょう。
もし違和感が続く場合は、トリマーや獣医師に早めに相談することで、ふわふわの毛並みを取り戻す第一歩になります。


年間スケジュールで見るポメラニアン被毛ケアチェックリスト

ポメラニアンは一年を通してふわふわの被毛が魅力ですが、実は季節ごとに毛の状態が大きく変わります。
「夏毛がスカスカ」と感じるのも、このサイクルの一部であることが多いのです。

ただし、季節に合わないケアをしてしまうと、毛の回復が遅れたり、皮膚トラブルにつながることも。
本章では、春夏秋冬それぞれの被毛ケアと注意点を詳しく見ていきましょう。


春(冬毛→夏毛の切替期)

春は、ポメラニアンにとって最も抜け毛が増える「換毛期」です。冬のあいだに体を守っていた厚いアンダーコートがごっそり抜け、軽い夏毛に切り替わります。

この時期のケアポイント:

  • 毎日のブラッシングが必須。特に首回り・お尻・太ももなど、毛が密集している部分を重点的に。
  • 抜け毛を放置すると、皮膚が蒸れて炎症や臭いの原因になることも。
  • シャンプーは月1回程度にとどめ、抜け毛後の皮膚をやさしく保湿するタイプを使用しましょう。

注意点:
春先にサマーカットをしてしまうと、自然な換毛サイクルが乱れることがあります。被毛がスカスカに見えても、自然に抜け落ちる分は健康なサイン。焦って短く刈るのは避けましょう。


夏(抜け毛多・被毛が“軽くなる”時期)

夏は「毛がスカスカに見える」「地肌が透けて見える」と感じる飼い主さんが多い時期。実際、アンダーコートが減り、通気性を高めるために被毛が薄く見えることがあります。

この時期のケアポイント:

  • エアコンを使う室内では、冷えすぎと乾燥に注意。室温は25〜27℃前後、湿度50〜60%が理想。
  • 紫外線は被毛を酸化・乾燥させ、毛質をパサつかせます。散歩は朝夕の涼しい時間帯に。
  • 食事では、オメガ3脂肪酸(サーモンオイル・亜麻仁油など)やビタミンEを積極的に摂取。毛の再生を助けます。

注意点:
サマーカットをしている場合、紫外線による皮膚ダメージを受けやすいため、外出時は服や日陰での対策を。特に地肌が見えるほどの短毛カットは、被毛の再生が遅れることがあります。


秋(夏毛→冬毛へ切替)

秋は再び換毛期を迎え、冬に備えてふんわりとしたアンダーコートが生えてきます。この時期のケアが不十分だと、冬毛が十分に育たず「ボリュームが戻らない」原因になります。

この時期のケアポイント:

  • ブラッシングは「古い毛を取り除く」ことが目的。抜け毛をしっかり取り除かないと、新しい毛が生えにくくなります。
  • 保湿ケアを再開。乾燥しやすい季節に向けて、被毛と皮膚のコンディションを整えましょう。
  • シャンプー後はドライヤーでしっかり乾かす。湿気を残すと菌の繁殖やかゆみの原因になります。

注意点:
夏に冷房環境で過ごしていた犬は、体内リズムが乱れて換毛が遅れることもあります。
日中の自然光を浴びる時間を少し増やすと、季節の切り替えがスムーズになります。


冬(ふわふわシーズン/サマーカットの影響が出やすい)

冬はポメラニアンのふわふわ感が最高潮に達する季節。ただし、夏のカットやケア不足の影響がこの時期に表れやすく、「一部だけ薄い」「全体的に毛量が戻らない」と感じる場合もあります。

この時期のケアポイント:

  • 加湿器で湿度を保ち、静電気防止のためにブラッシングスプレーを使用。
  • 食事は高タンパク・高脂質を意識して、毛の健康維持をサポート。
  • 週1回程度のブラッシングで毛玉を防ぎ、空気を含ませてふんわり感をキープ。

注意点:
サマーカットによる「毛周期の乱れ」は、回復までに1〜2年かかるケースもあります。
無理に生え揃えようとせず、保湿・栄養・血行促進を意識してじっくりケアを続けましょう。


1年を通して“ふわふわ”を守るコツ

ポメラニアンの被毛は、四季の変化に敏感に反応します。季節ごとにケアのポイントを押さえれば、「夏にスカスカ」「冬にボリューム不足」といったトラブルも防げます。
毛量の変化はポメラニアンの自然なサイクルの一部。焦らず、一年を通じてブラッシング・保湿・温度管理・栄養の4つを意識することが、ふわふわ被毛を維持する最大の秘訣です。


まとめ:
ポメラニアンの“夏毛スカスカ“対策のポイント整理

ポメラニアンの被毛は見た目のふわふわ感だけでなく、体温調節・皮膚保護という大切な役割を持っています。
夏になると「毛がスカスカ」「地肌が見える」と感じるのは、多くの飼い主さんが経験する自然な現象です。
ただし、その裏に“見逃せないサイン”が隠れていることも。

最後に改めて、年間を通じたケアの要点を整理しましょう。


●被毛構造と「スカスカ見え」の基本理解

  • ポメラニアンはダブルコート(オーバーコート+アンダーコート)
    夏にもアンダーコートが抜けるため、“スカスカ”に見えることがある。
  • 「夏毛=薄毛」とは限らず、換毛サイクルの一部である場合が多い。
  • サマーカットやバリカンで被毛の成長サイクルが乱れると、長期的なボリューム低下を招くリスクがある。

●「スカスカ」原因の見極めポイント

  • 換毛期・季節変化:自然現象で一時的。秋には再びボリューム回復。
  • トリミング・サマーカット後:刈りすぎによる“バリカン後脱毛症”に注意。
  • 病気・ホルモン異常(例:アロペシアX):左右対称の脱毛・皮膚の変色があれば早期に受診。

●夏の室内環境と生活習慣が与える影響

  • 冷房の効きすぎや温度差は換毛サイクルの乱れを招く。
  • 紫外線や乾燥も毛質を弱めるため、保湿スプレーや日よけ対策を。
  • 栄養不足(タンパク質・オメガ3脂肪酸・ビタミン群)は被毛の再生力低下を招く。

●季節ごとのケア要点

  • :ブラッシング強化、冬毛の抜け替わり期。
  • :抜け毛が多く“軽くなる”のが正常。冷房・紫外線・水分補給を意識。
  • :新しい冬毛が生え始める。タンパク質摂取を強化。
  • :ふわふわ最盛期。静電気・乾燥ケアを忘れずに。

●困ったときの3ステップ対応

  1. セルフ診断:部分的・全体的・かゆみの有無などをチェック。
  2. ホームケア:正しいブラッシング・シャンプー・保湿で様子を見る。
  3. 動物病院相談:症状が続く・脱毛範囲が拡大する場合は早めの受診。

●飼い主が覚えておきたい心得

  • 「夏に毛が減る=異常」ではなく、季節とケアの結果を見て判断することが大切
  • 短期的な見た目よりも、年間を通じた被毛サイクルと健康維持を重視。
  • サマーカットは一時的な快適さと引き換えに再生リスクを伴うため、慎重に選択を。

ポメラニアンの“夏毛スカスカ期”は、実は次の「ふわふわ冬毛」への準備期間でもあります。
焦らず、日々のケアと観察でその変化を見守ることが、健やかで美しい被毛を保つ最良の方法です。

本記事が、皆さまの愛犬がふわふわ毛を取り戻す一助になれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

-わんこケア