
椎間板ヘルニアになるのは人間だけではありません、わんこもなることがあります。
胴長な犬種のダックスやコーギーが発症しやすいイメージですが、わが家のチワワも発症しました。
しかも多発性胸腰部椎間板ヘルニアで再発を繰り返し二度の外科手術を経験し、今でも慎重に日常生活を送っています。
今回は、わが家の愛犬が経験した治療法と治療費、日常生活で気をつけている点についてまとめました。
椎間板ヘルニアとは
椎間板が脊髄の神経の束を押しつぶしてしまう病気で、痛みや足の麻痺など様々な症状が現れます。
症状や原因について、詳しくはこちらでわかりやすく説明されています。
わが家の愛犬の経過
わが家の愛犬が椎間板ヘルニアを発症した時の症状と治療の経過です。

あの時はものすごーーーく痛かったわん!
もう思い出したくないわん😭
そうだったね、ママも見てるの辛かったよ😢
それに、ママはお財布が痛かったわ😂

症状
<8歳>
お腹を丸めていることが多かったため腹痛があるのかと思い、かかりつけ動物病院を受診しました。
獣医師さんは歩行の様子を診て、腹痛ではなく腰痛、椎間板ヘルニアが疑わしいと判断され、安静に過ごすケージレストを勧められました。
ヘルニアの治療をしている動物病院を探てし受診しました。レントゲン検査の結果、腰部椎間板ヘルニア(グレード1)の診断でケージレストを継続しました。
2週間後から少しずつお散歩を開始し、徐々に筋力も戻り、通常の生活ができるようになりました。

<10歳>
当時、かかりつけの動物病院でのエコー検査で肝臓に小さな影があるということでCT検査が可能な病院を紹介されていました。
ちょうど検査当日の朝、受診準備をしている私のそばで愛犬がお座りをして動けなくなり、2年前の悪夢が蘇りました。「これはヘルニアかもしれない、麻痺になってしまったかも!」と焦りました。
CT検査を受ける予定の動物病院を受診すると、予定していたCTではなく腰部のMRI検査を受けることになりました。
幸いにも足の麻痺でなはなく、痛みで動けなくなっていたようでした。待合室で待っていると、奥の診察・検査エリアからキャンキャンと叫ぶような声が聞こえ、本当に可哀想でした。
診断
MRI検査の結果、腰部椎間板ヘルニア(グレード1)と診断され外科的治療を勧められました。比較的侵襲の少ないPLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)が可能とのことで、治療をお願いすることにしました。
PLDDについてはこちらをご参照ください。https://www.shinmejiro-mri.com/medicalcare-pldd.php
手術は4日後で、それまでは鎮痛剤と抗炎症剤を内服し自宅ケージレストで過ごしました。内服薬で痛みはコントロールできていたようで、食事も排泄も問題なくできていました。
外科治療と経過

手術当日の朝に動物病院に預けて、午前に術前検査を受け、お昼後頃から全身麻酔下でPLDD治療を受けました。
手術翌日には退院となり、鎮痛剤、抗炎症剤、抗生剤を数日内服しました。自宅ではケージレストを継続し、術後の痛みがあるようでか大人しく過ごしていました。食事や排泄は問題なくできていました。
術後定期的に受診し、少しずつ行動範囲を広げていき、鎮痛剤の内服も終了できました。
<再発>
手術から半年後のことでした。またキャンキャンと痛みを訴えるように鳴き始めたため、治療をお願いした動物病院を再度受診すると、腰部椎間板ヘルニアの再発と新たに頚部椎間板ヘルニアも発症していました。
前回の治療から半年しか経っていないのにまた侵襲をかけることに不安もありましたが、この先一生鎮痛剤を内服しながら痛みをコントロールし、制限のある生活を続けなければいことも不憫に思えて、もう一度PLDD治療を受けることにしました。
治療経過は1回目と同様で、翌日には退院できました。
<再々発>
2回目のPLDD治療はら約半年、また痛みが再発しました。鎮痛剤を内服しながら経過を見ることになりました。
半年毎にPLDD治療を受けるというのは現実的ではない、とは言えずっと痛みを抱えながら生活するのも不憫に思い、何か良い方法はないかとインターネットで調べたとことろ、鍼治療でヘルニアが治るという情報を得ました。
鍼治療について獣医師さんに相談すると「是非受けてあげてください」と勧められ、鍼治療が受けられる動物病院を紹介してくださいました。
鍼灸治療と漢方薬
鍼灸治療では、お灸と鍼治療が行われます。どちらも嫌がることはありませんし、おやつで気を引きながら負担のないように治療してくださいます。治療時間は約20分くらいです。
痛みの具合やその他の症状(お腹や皮膚の調子など)に合わせて漢方薬を処方してくださいます。
漢方薬は独特の匂いがありますので、投薬トリーツを使いながら与えています。
投薬トリーツについては、こちらの記事でご紹介しています。
通院頻度は症状によるようです。わが家の場合は1ヶ月に1回目安に治療を受けています。鍼灸治療を受けて3年以上経ちますが、今のところ再発せずに過ごせています。
治療費
一般的な治療費
経過や治療内容によると思いますが、こちらが参考になると思います。https://www.pets-station.info/jiten_Herunia
わが家の治療費
治療費は、診断、治療内容により差がありますが、参考までにわが家の治療費を記します。
(保険加入の有無や内容により自己負担額は変わりますので、合計額で記しています。)
予防法
1)サプリメント
アンチノールというサプリメントは、椎間板ヘルニアで受診した3つの動物病院のどの獣医師さんからも勧められました。
初発の時から継続しましたが、外科的治療は免れませんでした。だからと言って効果がなかったとも言えないと思っています。飲んでいなければ、もっと早くもっと重症になっていたのかもしれません。
言えることは、アンチノールだけで再発を予防することはできなかったということです。
2)室内生活
発症・再発後は、ソファにフェンスを置き、寝室には入らせないようにしていました。
症状が改善して室内で活発に動くようになった頃、獣医師さんの勧めもあってドッグステップを使うことにしました。
ドックステップについては、こちらの記事でご紹介しています。
3)お散歩
歩くのは、遊歩道のような段差がない平坦な道だけにしています。もともと歩くお散歩より抱っこでのお散歩を好むタイプだったので、スリングでの抱っこ散歩が多いです。
スリングはヘルニアには良くないとも聞きますので、スリング内でお座りの姿勢でいられるようにして、短時間だけ使用するようにしています。スリング内での姿勢については、こちらを参考にされ、飼い主様のご判断でご使用ください。
4)温罨法
鍼灸の動物病院で勧められ、自宅でも時々お灸をしています。
お灸は部屋中に匂いが充満しますので、換気が難しい時は“あずきのチカラ 目もと用”を使って首や腰のあたりを中心に温めています。
まとめ
椎間板ヘルニアは、大切な愛犬が強い痛みを抱えるだけでなく、悪化すればするほど身体的にも経済的にも負担が大きくなります。
発症を予防するために安全な日常生活を心がけていても、発症することもあるでしょう。
疑わしい症状が見られた時はなるべく早く動物病院を受診し、重症化や麻痺などの後遺症を予防しましょう。
治療法は診断により様々だと思いますが、獣医師さんと相談し、その後の生活の質を考えて選択されることをオススメします。
わが家の愛犬は、鍼灸の獣医師さんに出会えたことで生活の質を維持できています。
愛犬の生活を守って下さった獣医療に携わる皆様に心から感謝しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。